「エア離婚」って!

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エッセイストでタレントの女性のインタビュー記事に掲載された「エア離婚」が話題になっています。
「エア離婚」という言葉は少しわかりにくいかもしれませんが、これは、その女性の造語だそうで、期限を決めて、例えば「子どもが成人したら」などと決めて離婚の準備をする、といった状態のことのようです。
 今までは、夫婦関係がうまくいかなくなると、離婚か別居か我慢するかの選択しかありませんでした。ところが、我慢がエンドレスに続いてしまうと、ストレスで感情が爆発してしまい、揉めることになります。ですから、揉めないために「子どものために〇年後に」などと期限を決めることで、お互いの気持ちが楽になるということがあります。結果として、離婚をするかどうかはわかりませんが、こうした決断でお互いに安心が得られて、揉めることが少なくなるということはあるのではないでしょうか。
 その女性も以前のインタビューで「この人とずっと一緒にいなきゃいけないと思うこと自体が苦しかったので、別れる合意が成立したことで、ずいぶん気持ちが楽になりました」と語っています。
 こうした申し出は、女性からされるケースが多いのですが、女性なら誰でもということではなく、キャリアのある人や自立した人、人生経験を積んだ大人の女性によく見られます。
 このような自分の決断や覚悟をよしとする女性が、最近は増えてきているのかもしれません。
 ただ、覚悟を決めて始めても、途中でやめてしまう人も少なくありません。ですが、目標をもってやってみることに意義があるのではないでしょうか。それは、実際に始めてみると、今までより相手のことがいろいろとわかってくるので、結果はどうなるかわからなくても、お互いがよい方向に変化していく例を多く見てきました。
 この女性の「エア離婚」に対して、読者の女性たちの反応は、決して好意的ではありません。Twitterなどでは、彼女の子どもたちに対して同情的な意見が多く見られました。夫婦で決めた約束事に子どもたちを巻き込むことが許せない、といった言葉が数多く投稿されました。 
 この女性が「エア離婚」を決意したきっかけは、子どもが生まれたころ、妻が子育てにかかりっきりで構ってくれないと夫が拗ねてした女遊びにあるようです。彼女はこのことにとても傷つき、不安障害を発症したとインタビューで話しています。女性は「過去のことを帳消しにはできない」といった傾向が強いものです。そして、その経験が辛ければ辛いほど、そうした傾向は強くなります。過去にされた辛い経験がきっかけになって「エア離婚」を選ぶ女性は増えるかもしれません。

この記事は私が監修しています | 夫婦問題研究家 岡野あつこ
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