「輝きたい症候群」の妻たちが選んだ熟年離婚

更新日:

色々な問題もあった、東京オリンピックが開会式を迎え、幕を明けました。
 そうしたなかで、芸能界の大物カップルが立て続けに熟年離婚を発表しました。大きなイベントがあるときに、その影に隠れるように、大きな発表をされることが芸能界では少なくないようです。
 今回の2組のご夫婦の熟年離婚は、以前に何度か不仲が噂にはなっていました。しかし、今回の2組の離婚報道はやはり突然で、世間に大きな驚きを与えたようです。
 一般的な「熟年離婚」の定義とは、
  ①結婚生活が20年以上続いている
  ②子育てから手が離れている
こうした時期に離婚する場合をいいます。 
 最近の熟年夫婦の中には、「卒婚」という形を選択している方たちも多くなっています。卒婚とは、離婚はせずにお互いの自由を尊重しながら、それぞれの道を進むという夫婦の形です。
 2組のご夫婦ともに、夫、妻ともに有名人であり、経済的に自立していますし、「卒婚」という形を選んで、別居しながら夫婦をつづけていくこともでっきたはずです。でも、2組のご夫婦ともに、離婚を選ばれました。
 その理由の1つとして、妻の「輝きたい症候群」があるのではないかと考えています。妻の心には、本当の自由を手に入れて、「もう一度、仕事で輝きたい!」また「一人の女性として、これからの人生を自分のために使いたい!」という思いがあるのではないでしょうか。
 この「輝きたい症候群」という言葉は、熟年離婚や卒婚をする妻たちの特徴として、私が名付けたものです。主に50~60代の妻たちに多いのですが、子育てが一段落して、いざ自分の周りを見回し、自身のこれからを考え始めたときに、多くの妻たちの頭や心の中に浮かんでくるのが、「もう一度輝きたい!」、「もっと自分の人生を全うしたい!」という思いです。こうした思いに背中を押されて、熟年離婚や卒婚を選ぶ妻たちが増えてきています。
 一般的に、熟年離婚は揉めやすいものです。しかし、今回の2組のご夫婦ともに、円満に離婚が成立しています。これは、妻が別れて「輝きたい」という願いを受けて、夫婦という形を解消して、新しい2人の関係=新たなパートナーシップを作っていこうという姿勢が夫側にあるからではないでしょうか。 
 離婚の原因は、憎しみや不倫といったものばかりではありません。「お互いのこれからを慮って」という離婚もあるのです。こうした選択をされた妻たちには、もっと輝いていただきたいですし、それを受け止めた夫たちにも、ますます活躍していただきたいと、応援していきたい気持ちです。

この記事は私が監修しています | 夫婦問題研究家 岡野あつこ
タイトルとURLをコピーしました