夫婦の共働きが増えて、家事や子育てについて「夫婦平等」を訴えている妻が多いのが現状です。特に夫婦問題の相談におみえになる方の多くが「なぜ、私ばかりが家事や子育てをしなければならないのでしょうか!」とおっしゃいます。
こうした意見には一定の同意をしますが、「夫婦平等」については、ケースバイケースなのではないでしょうか。それぞれの夫婦の事情を考えてみる必要があるように思います。
女性がパートや派遣スタッフとして働いている場合、夫の年収の半分ほどのケースもあるでしょう。そうしたケースでは、夫の方は「平等」とは考えていないものです。そうしたケースでは「私と同じように家事や子育てを分担してほしい」という妻からの訴えは、夫の気持ちに届くことは難しいと思うのです。もし封建的な考えを持つ夫であれば、聞く耳さえもってもらえないかもしれません。
また、夫の収入で十分に暮らしていけるのに、仕事をしたい妻のケースはどうでしょうか? 夫にしてみれば「働かなくてもいいのに、妻が好きで働いている」と考えているのではないでしょうか。そうした夫は、妻には家にいて子育てや家事に専念してほしいと思っているかもしれません。そうであれば、「仕事で忙しいんだから、家事や子育てを分担してほしい」と妻が訴えることには、納得できないとなってしまうのでしょう。
たとえ妻の意見が正論であっても、夫がその意見に同意してくれなければ、夫の心には届かず、妻が望む「夫婦平等」になることはありません。
もちろん、夫の年収だけでは足りず、共働きでなければ生活が回らない、といったケースや夫婦で話し合った上で、共働きを選んだというケースもあるでしょう。そうしたケースで、妻の訴えに耳を貸さない夫なのであれば、もちろん問題だと思います。
それぞれの夫婦が「我が家の夫婦平等」について考えてみる必要があります。「私ばかりが…」と不満をこぼす前に、いま一度、考えて見ることをオススメします。