「表層演技」と「深層演技」を使い分け?!

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「表層演技」と「深層演技」とは、主に職場での振る舞いのことです。どのように自分の感情をコントロールして、相手に不満を感じさせないような働きかけをするかという「感情労働」という労働の分類の1つがあります。その感情労働は「表層演技」と「深層演技」の2つに分けられています。
「表層演技」とは、働き手が実際に感じていることを変えることなく仕事に必要な感情を表に出すこと、「深層演技」とは,働き手が組織の期待に沿うように内的感情を変化させ、より自然な感情表現を生み出すよう努力するプロセスのことをいいます。

 このような「演技」は夫婦間でも気づかないうちに行われているのではないでしょうか。。
 たとえば、パートナーから意見されたとしても、言い返せば面倒になるからと作り笑いでごまかしてしまう、こうしたときには頭の中で知らない間に損得勘定が働き、行動を選択しているのです。これが「表層演技」です。
 このような行動は、本音と建前を使い分けているため、常に葛藤がつきまとうことになります。長く続けていれば、心が疲弊してしまいます。
 そのうえ自分は本音を伝えてはいないのに、パートナーはうまく行っていると思いがちです。そして、私の本当の気持ちを知ろうとしてくれない=愛されていない、と感じてしまうのです。

「深層演技」では、本音と建前の葛藤はありませんが、相手の期待に沿うように自分の感情を変化させてしまうので、パートナーは何でも言うことを聞いてくれると誤解してしまい、夫婦関係はうまくいかなくなってしまいます。結局、妻は「愛されていない」と思い、夫は「愛している」とすれ違ってしまうのです。夫のほうは妻は言わなくてもわかってくれている、伝わっていると思いがちです。これが「深層演技」のデメリットといえるかもしれません。

 職場や友人関係、近所づきあいの中では、「表層演技」と「深層演技」を使い分けて過ごしているのに、夫婦間では難しいとおっしゃる相談者が多いのです。それは、パートナーに対する甘えであり、パートナーを大切にしていないことの現れではないでしょうか?
 家庭も社会だと考えれば、世間体や自分の評価を気遣う必要があります。

この記事は私が監修しています | 夫婦問題研究家 岡野あつこ
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