夫婦関係がギクシャクしているときには、ちょっとした行き違いでケンカになってしまうことが多くなります。ケンカになってしまうと、お互いがどちらが正しいか、などを争ってヒートアップしてしまいがちです。白黒をその場で決めようと、気持ちが激しくぶつかってしまうからです。
そして「売り言葉に買い言葉」で、言わなくてもよい余計な一言を口にしてしまい、収拾がつかなくなってしまうです。その余計な一言は、大概ケンカの要因とは直接には関係のないもので、たとえば「いつもあなたは…」や「キミのそういうところが…」などという、相手に対する批判的なクレームのようなキツイ言葉ではないでしょうか?
そうしたヒートアップしたときに思い出してほしいのが「スリーパー効果」です。この「スリーパー効果」とは、発信元に対しての信用度が低くても、一定の時間が過ぎれば、情報の内容が真実のように思えてくるという心理現象のひとつのことをいいます。
お互いに気持ちがぶつかってケンカになったら、すぐに白黒をつけようとせず、「やめましょう」と一旦切り上げて時間をおきましょう。一旦停戦することで、お互いに熱くなってしまった感情は落ち着き、相手が言っていた言葉や内容だけが心に残っていきます。
そうしたお互いがクールダウンしたタイミングで、「この間の件なんだけれど…」と切り出せば、双方が冷静に「話し合い」をすることができます。
ケンカ中には、相手の言葉尻をとらえてしまい、ヒートアップすることで、何が原因でケンカになってしまったのかさえわからなくなり、相手を言い負かしたいという思いばかりになってしまいます。
そうした状態では、なだめようとして発した言葉も熱くなった相手には届かないものですが、時間が経ってから相手に伝えれば、意外とストレートに届きます。これこそが「スリーパー効果」です。
夫婦がお互いによい関係を築くためには、ときには「忍耐」が必要です。
時間を待って、相手の気持ちが落ち着くのを待つだけでなく、自分が相手を許そうという気持ちになるのを待ちましょう。お互いの間に霧のように立ち上ったもやもやした苛立ちが晴れるのを待ちましょう。
待つことは愛であることを心得ておきましょう。