パートナーと離婚するか、関係性を修復して夫婦関係を継続するかを考えていると、思わぬ迷路に入り込んでしまうことがあります。
私のところに「離婚します」と勢い込んで相談にきた方でも、いろいろと話しをしていくうちに「やはり、修復したほうがいいのでしょうか?」と言い出すことがあります。
固い覚悟をして「離婚します」と相談サロンの扉を開けた方でも、さまざまな感情や計算が入り乱れて、決意が揺らぐことがあるのです。
そうした迷う相談者に対して、私は(相手のこと)が「好き」か「嫌い」、(離婚するのは)「得」か「損」と4つの言葉を配した【マトリックス図法】を使って、自分の気持ちを明確にしてもらうよう促しています。
例えば、上方向が「好き」下方向が「嫌い」右側が「得」左側が「損」と、4つのゾーンに分けます。
4つのゾーンは、「(相手のことが)好き」で、「(離婚するのは)損」、「好きで得」「嫌いで損」「嫌いで得」という組合せに分かれます。この4つのゾーンのどことあなたの思いが一致するかを考えてみましょう。
私は「嫌いで損」以外のゾーンになった方は、修復すべきと伝えています。
「好き」でもない相手と「損」だと感じる結婚生活を継続するのは不毛でしかありません。ですが、「好き」という思いが残っているならば、「損」だと感じる生活であっても、を捨ててしまっては後悔するという考えがあるからです。また「嫌い」な相手でも、結婚生活をやめてしまっては「損」だと感じるならば、今はまだ離婚を急がず、続ける努力をすべき時期だと考えるのです。
パートナーを「愛しているか」を考えることはもちろん大切ですが、結婚生活というのは、愛だけでは続けることは難しいのではないでしょうか。結婚生活を考えるときに、経済的な問題、子育てのこと、自分の職場や親戚などの世間体などについても、知らず知らず思いを巡らせているはずです。
夫であれ、妻であれ、子供がいれば、一人で育てていくことは本当に大変です。若いときであれば、意地で乗り切ることもできるかもしれませんが、熟年世代にはおすすめできません。若い方でも、少しでも「好き」な気持ちがあるのなら、意地ははらず、これまでのよい思い出もあるからこそ、継続のために、もう一度、最善を尽くしてほしいのです。