職場の人や友人に対してなら、意見が合わないときにでも「そういう考えもあるよね」と受け流してしまえるようなことも、夫婦であれば頭ごなしに、反論してしまうのか、自分でも不思議なときがありませんか?
それは、パートナーに対しては、しっかりと自分をわかってほしいという気持ちが強く働いてしまうからなのです。
そもそも夫婦ゲンカとは、この「わかってほしい」という気持ちが強くなりすぎて、「なんでわかってくれないの」「わからせてやる」と傲慢になったことで起こってしまうことが少なくありません。
ですから、夫婦で言い争いになったときに、強い言葉でまくし立てて、パートナーを言い負かして、相手が黙ってしまったとしても、これで争いに勝ったということになるのでしょうか。
本当にパートナーに勝利をすることの意味を考えてみましょう。
相手を言い負かして、黙らせてしまったことで、その場は溜飲が下がるのかもしれません。ただ、興奮していた気分が落ち着き、我に返ったときに「本当にこれでよかったのか」「これが私が望んでいた結論なのか」と考えると、願っていたこととは違っているのではないでしょうか。
私なら「負けて勝つ」という方法を選びます。一方的に相手を言い負かそうとするのではなく、一旦引いて、相手の意見を聞いたうえで、自分が困っている状態や思うようにはいかないことを伝えます。
「私が正しく、あなたが間違っている」というスタンスではなく、困っているから助けてほしい、と弱っている状態の自分をみせるのです。
そうすれば、きっとパートナーは「協力しよう」という姿勢を見せてくれるはずです。少なくとも、一方的に意見を押し付けられたと相手を頑なにしてしまうより、良い結果につながりそうです。
こうした経験を重ねることで、いつしか「負けて勝つ」という極意を身につけてください。大切なのは、相手の意見に耳を傾け尊重すること、相手を頼りにすること、たまには甘えてみることです。最終的に勝つためには、一見負けてように見せることも手段としてとらえ、活用しましょう。