コロナ禍で離婚相談が急増

コロナ禍以降、離婚相談の件数が増えたというのが正直な感想です。
原因の1つであると考えられるのは、ステイホームにより、夫が家にいる時間が増えたことにあると考えています。
また、相談内容についての変化は「真面目な人」からの離婚相談が増えたということです。
リモートワークが増えて夫の在宅時間が増え、夫婦が向き合う機会が増えたことで、離婚を考える夫婦が増えたということが相談の増加につながったのだと感じています。
夫婦関係が円満で、ともに過ごせる時間が増えたことを素直に喜べるご夫婦であればよいのですが、お互いに顔を合わせるだけでストレスが溜まってしまうようなご夫婦であれば、こうした状態は歓迎できることではありません。
そうした状態のなかで、離婚危機を真っ先に迎えるのは「真面目な人」たちなのです。

「真面目な人」ほど、こうしたストレスの多い状況に耐えられず、不満がつのってしまい、相手の行動が目についてしまい、相手の言動が気になってしまい「我慢の限界」に達してしまうのでしょう。
なぜなら「真面目な人」たちは、「まあまあ」とか「なあなあ」という態度が取りにくいのです。「白黒をはっきりさせる」ことは、人間関係、夫婦関係においては最適解とはならないものです。正しい主張であっても、ときには譲ったり、曲げたりすることで、関係が保たれることもあります。

実は「真面目な人」の「白黒をはっきりさせる」という行動は、必ずしも「社会一般の倫理観」に基づいたものではないケースも多いのです。
「我慢できない」「許せない」といっているのは、「自分の感覚」や「価値観の違い」といった問題に過ぎない場合も少なくありません。

ただ、こうした「ささいな感覚・価値観の違い」が、もっとも厄介で根深い問題だったりするのです。「ちょっとした癖・習慣・生理的なこと」が、人間関係や夫婦関係においては、妥協できない「切実な問題」となってしまうのです。そして、それが離婚の原因になっているのです。
どちらかが悪い、正しいという問題ではなく、感覚的に「嫌だから嫌」なのです。うまく説明できない問題であっても、理屈に合わなくても、許容するしかありません。
夫婦関係は、お互いが相手の性格や価値観を尊重して「こういう人だから仕方ない」と認めていくことで、両者を立てながら丸く収めていくことが大切です。

この記事は私が監修しています | 夫婦問題研究家 岡野あつこ
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