「売り言葉に買い言葉」には要注意です!

夫婦ゲンカでよく聞くのが「売り言葉に買い言葉で、ついつい言い返してしまった」という話です。「売り言葉に買い言葉」とは、相手から仕掛けられた喧嘩や非難の言葉(売り言葉)に対して、こちらが同じように強い言葉や反論(買い言葉)で応じるということです。

こうした口ゲンカでは、相手の言葉に対して単に言い返すだけでなく、その背景には感情的なやり合いがあるため、結果的にコミュニケーションの悪化を招くことになってしまいます。つまり不毛な言葉の応酬のあとに残るのは、夫婦関係の悪化という結果なのです。

離婚相談でよく聞くのは、「夫からひどいことを言われた」と被害者であるかのように訴える妻の相談です。ですが、よくよく話を聞いていくと、夫のほうが言ったひどい言葉は「買い言葉」であって、その前に妻が放った「売り言葉」があるのです。自分が言われた言葉ばかりを被害者のように訴える妻の相談には気をつけなければいけません。

本人は気づかずに「売り言葉」で相手を挑発していることが往々にしてあるのです。ですが、「売り言葉」を投げられたとしても、それを「買わない」という選択をすることで、良好なコミュニケーションを維持することもできるはずです。不毛なケンカを避けるためには、まず「売り言葉」を投げられても、すぐに「買わない」という意識を持つことが大切です。相手と同じ土俵にのらないと決めていれば、相手を感情的な言葉で傷つけることも避けられます。

「売り言葉に買い言葉」であったとしても、本意ではなかったとしても、口にしてしてはいけない言葉があります。その一言で、夫婦関係が終わってしまうこともあるのです。

「売り言葉」は、時に考えもなく口からポロッと出てしまったということもあれば、意図的に投げることもあるでしょう。そのどちらの場合であっても、感情的に「買い言葉」で応じることは悪手になります。寸止めで冷静な言葉を返すことで、不毛なケンカを避けることはもちろん、相手の心を揺さぶって自戒をうながすこともできることもあります。くれぐれも「売り言葉」に乗ってしまわないようにしましょう。

この記事は私が監修しています | 夫婦問題研究家 岡野あつこ
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