「価値観の違い」が離婚の要因に!?

かつては夫婦関係が悪化する要因の第1位は「性格の不一致」でしたが、最近では「価値観の不一致」のほうが問題になっています。

「性格の不一致」という原因は漠然としていて、はっきりしたものではありませんが、「価値観の不一致」となれば理由もはっきりしてくるのです。
たとえば、お金の使い方や子どもの育て方といったものから、新型コロナウィルス拡大のときにはワクチン接種を受けるかどうかで、夫婦が対立し夫婦関係がこじれてしまったという相談もありました。

「価値観の違い」はお互いに譲れないという気持ちはわかりますが、それがもとで、夫婦関係がこじれてしまい、修復困難なところまで進んでしまう、というのはあまり共感できないのです。
「価値観の違い」は、原則として「婚姻を継続し難い重大な事由」には該当しないと考えられています。夫婦というのは個人と個人の結び付きなので「価値観」が完全に一致しないのは当たり前のことといってもよいでしょう。そして、夫婦には「価値観の違い」をお互いに埋めていく努力をする義務があると考えられているのです。ですから「価値観の不一致」だけでは離婚は認められません。

安易に「価値観が合わないから」と離婚への道を進むのではなく、まずは後悔しないために、話し合いで「価値観の違い」を解消できないかを十分に検討することが大切です。
また、価値観が違ったとしても、夫婦関係を続けて行くことはできるはずなのです。
自分の価値観だけを正しいと主張し、相手の価値観を否定するのではなく、お互いの価値観を認めたうえで、折り合っていく道を探してみることも必要ではないでしょうか。

あなた自身がパートナーの価値観を受け入れ、パートナーにもあなたの価値観を受け入れてもらうということです。お互いが自身の価値観にこだわりをもちながら、パートナーのこだわりを認めることは可能です。
価値観は「その人らしさ」でもあります。それは好みや嗜好とは違って、もう少し深いところで考えや行動を導く指針ともいえるものです。その人の価値観を認めるところから、夫婦関係を再構築することをオススメします。

 

この記事は私が監修しています | 夫婦問題研究家 岡野あつこ
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