いろいろな形があってもいいのでは?

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人と人との関係性で大切なのは、心の距離ではないでしょうか。
 そう考えると、夫婦とはいえ、同居することだけが良い選択とはいえないのかもしれませんね。
 最近では、別居婚、週末婚、通い婚、卒婚など、いろいろな選択肢があります。頑なにならず、柔軟にご夫婦に合った形態を選ぶことを考えてみてはいかがでしょう。

 夫婦関係がこじれてしまった2人には、このまま同居しながら結婚生活を続けるのか、離婚するのかの二者択一しかなくなってしまいます。
 1つの選択肢として、まずは物理的な距離をおいて、双方が冷静になる時間が持てれば、違った選択肢があることに気づけるかもしれません。
 私は夫婦問題カウンセラーとして、修復を望む相談者に対して「物理的に距離を置くのも一案ですよ」とアドバイスすることがあります。

 ただ、別居を選ぶ際に気をつけてほしいことがあります。それは、その別居が「逃げの別居」か「前向きな別居」なのか、を見極めることです。
 たとえば、夫婦げんかの末に衝動的に飛び出した「逃げの別居」では、問題を先送りにしただけですので、修復には繋がりにくいでしょう。一方「前向きな別居」とは、夫婦が話し合い、お互いが一人になって冷静に考えようというものです。こうした場合、お互いが自分の反省すべき点や相手の良い点や必要性などのついてじっくり考えることができるため、修復に向かう可能性は十分にあるといえるでしょう。

 夫婦の一方から、離婚を迫られている場合、離れてしまったらもう離婚になってしまう、という強迫観念にかられているので、同居に執着してしまいがちです。この場合でも、私は「前向きな別居」に踏み切るようアドバイスします。
 お互いにギクシャクしながらの同居を続けても、お互いが精神的に疲弊してしまうばかりです。一旦別居して、自分の誠意を相手に伝えながら説得を続けたことで、修復したケースも少なくありません。

 夫婦は、さまざまな試練に直面しながら、ともに喜びや苦しみを乗り越えながら、その絆を培っていきます。ですから、長年連れ添った熟年夫婦が、別れてしまうのはもったいないと強く思います。ですから、熟年世代の相談者には「培ってきた絆があるのですから、十分に希望はあります」とお伝えしています。
 そのためにも、夫婦は形にこだわらず。「いろいろなことがあったね」と笑って話せる日を夢見て、ポジティブに関係修復に取り組みましょう。
 

この記事は私が監修しています | 夫婦問題研究家 岡野あつこ
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