夫婦の呼び方はが変わってきている!

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ひと昔前には、妻を「おまえ」と呼んだり、「オイ」とだけ言ったりする夫が溢れていました。現在では「夫からおまえと呼ばれるのがすごくイヤ」と悩んでいる妻は少なくありません。上から目線の夫はモラハラとも言われ、問題視にされるようになりました。
 夫婦のお互いの呼び方を考えるときの場面には大きく分けて3つあります。
 1つは「夫婦がお互いを呼ぶ」とき。2つ目は「人前で自分のパートナーを呼ぶ」とき。3つ目は「他人のパートナーを呼ぶ」ときです。
 まず「夫婦同士」で相手を呼ぶときは、女性も男性も4割以上が「名前やニックネーム」で呼ぶと回答しています。(2021年8月「夫婦関係調査2021(リクルートブライダル総研調べ)」年代別に見てみると男性は50代以下、女性は40代以下が「名前」で呼び、その上の世代が「役割」で呼んでいます。「役割呼び」とは、夫婦がお互いをパパ、ママやお母さん、お父さんと呼び合うことです。子どもが小さいときにはよく見られます。
 海外では、映画やドラマなどでもよく見かけるように、夫婦はお互いに名前で呼び合っています。場面によっては、ダーリン、ハニー、ベイビーなどのより仲睦まじい呼び方がごく自然に使われています。
 次に「他人に対して」自分のパートナーを呼ぶときですが、自分たち夫婦の関係性をどう表したいかもついても考えなければなりません。さらに会話する相手のご夫婦の関係性にも配慮が必要なのではないでしょうか。よって、選択肢はより広がってしまうかもしれません。
 そのときの呼び名について、調査結果では、女性側からの呼び方の主なものは、ポイントが高かった順に「旦那」、「主人」、「夫」です。同様に男性側は多かった順に「嫁」、「名前」、「妻」となっています。
 この場面においては、世代による結果の違いが見られました。60代女性は「主人」呼びが一番多く、20代男性は「名前」呼びが一番という結果になっています。
 そして、3つ目のシチュエーション「他人のパートナー」を呼ぶときは、相手側のパートナーですから、より気を遣うことになります。ですから「どう呼ぶか」は一番悩ましく、分かれるところではないでしょうか。 
 調査結果では、女性の呼び方は「奥さん」が圧倒的に多かったようです。男性は「旦那さん」が約半数、次が「ご主人」という結果でした。
 こちらも世代による特徴が現れる結果となっています。20~30代では「妻」や「名前」「ニックネーム」が多くなっているのに対し、40代以上では「嫁」が多くなっています。ひと昔前まではよく使われていた「女房」や「家内」といった呼び方はすっかり数が減ってしまいました。
 また、「主人」呼びは全世代で減っています。その代わりに「旦那・旦那さん」が増えています、これは「主人」よりカジュアルな呼び名である「旦那」にシフトしたのではないでしょうか。20代~40代ではその「旦那」も減少傾向にあります。その代わりに増えているのが「名前」や「夫」です、この年代では、より平等を意識した呼び名になっているのでしょう。
 夫婦間でお互いのことを「どう呼ぶか」は時代や世代とともに少しずつ変わっているようです。時代背景やライフスタイルの変化によって、夫婦関係も変わってきているのです。呼び方を変えることで、夫婦関係も変わるかもしれません。最近の夫婦間では、よりフラットで対等な夫婦関係を示す呼び方が好まれていて、そうした関係性が求められているのです。

この記事は私が監修しています | 夫婦問題研究家 岡野あつこ
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