夫婦の理想のカタチとは?

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一昔前といわれる昭和のころは、夫が大黒柱の「亭主関白」な家庭が主流でした。しかし、令和になって「妻が夫を尻に敷く」いわゆる「かかあ天下」的なスタイルのほうがうまくいくともいわれ始めています。また、最近は人生を共に生きていくパートナー同士の結婚を考える人が多く、夫婦のカタチも大きく変わっているようです。
 夫婦関係のバランスは、基本的なところは交際時から決まっているものです。恋人時代に相性の良さや居心地の良さを感じた2人は、結婚へも進みやすいのはないでしょうか。
 積極的にリードするタイプの男性は、受け身でリードされることを好む女性と相性がよく、結婚後は夫が主導権を握る亭主関白的な関係になるでしょう。一方、女性がマイペースな場合、気遣い上手で柔軟な思考ができる男性と合うでしょう。この場合、奔放に動く妻を夫が陰から支える「かかあ天下」的な夫婦になるでしょう。
 また、どちらかが主導権を握るのではなく、2人がフェアな立場である「友達夫婦」的な夫婦も少なくありません。こうした夫婦が対等な立場でいる関係を心地よいと考える女性は、最近、増えているかもしれません。 どちらが主導権を握った場合、その夫婦関係を円滑に続けていくために大切なことがあります。それは、相手に決定権を委ねた側は、決められたことに、後から文句をつけてはいけません。「なんでもいい」と相手任せにしながら、後から文句を言われれば、腹を立てられることになるからです。日常の些細な決めごとでもクレームを繰り返されれば、夫婦関係は悪くなってしまいます。
 では、「友達夫婦」であれば問題はないのかといえば、そうともいえません。対等な立場を好む人の本音には「自分がリードしたくない」「責任を負いたくない」という気持ちがあるからです。お互いが決定権を相手に委ねていたら、無計画で行き当たりばったりな結果になりかねません。
 やはり、夫婦関係はバランスとお互いの信頼が大切で、その形はどんなものでもよいのです。
 では、どんな夫婦のカタチが、今のトレンドなのでしょう。結婚相談所が20~40代の未婚男女2000人余りに対して行ったアンケートを元に、憧れの夫婦像のランキングがあります。
 5位以上を見てみると、5位は最近ドラマの設定でも多い年上女性と年下男性のカップル「姉御型」夫婦です。このスタイルを求める男性は、「パートナーにリードしてもらいたい」という意見が多く、一方、女性には「年下の方が、柔軟性があって素直そう」といった年上ならではの意見が多く、需要と供給はある程度の一致しているようです。
 4位は「戦友型」です。どんな困難も2人で乗り越える関係は、家族というより仲間に近い関係といえるのかもしれません。このスタイルを選んだ人は、「助け合いながら男女を越えた関係がよい」や「ときめきも大事だけど同じ方向性で生きていきたい」といった意見でした。
 そして3位は「一途型結婚」です。結婚するからには一途に相手を思い続けたい、というカタチです。いつまでも相手を想い続ける関係を素敵だと感じている人は少なくないようです。「結婚後もずっと想われているのは幸せそう」など、女性を中心に憧れを抱く人が多かったカタチです。
 2位にランクインしたのは「尊敬型」結婚です。パートナーを尊敬し、支え合う夫婦は理想的です。「愛情は薄れてしまうと思うが、相手を尊敬できれば、一緒にいられる」などの意見がありました。たしかに、尊敬できる部分があることで、より相手を大切に思い、認めることができるのではないでしょうか。
 3割近い人が理想と答えたは「親友型」が断トツの1位です。堂々の1位は、仲がいい友達同士のような「親友型結婚」となりました。最近のドラマや映画の設定にもよくある夫婦関係といえるかもしれません。お互いがイーブンな立場で協力し合いながら家族を作っていく関係こそ、今の時代にあった夫婦のカタチと言えるのかもしれません。「友だちから発展する恋愛に憧れている」、「自然体で過ごせる、恋人であり親友のような関係がいい」といった意見が集まりました。なんでも相談できるような対等な関係、情熱的な恋愛関係ではなく、末永く穏やかに、ずっと仲の良い関係を望む人が多いようです。
 結局、結婚のカタチも十人十色で、それぞれに一長一短があるでしょう。本人やパートナーの性格や関係性により、理想のカタチも違ってくるものなのです。

この記事は私が監修しています | 夫婦問題研究家 岡野あつこ
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