パートナーに怒りをぶつける前にすべきこと

夫婦ゲンカになってしまった原因を後から考えてみると、初めの一言にあったと思うことは多いのではないでしょうか?
そんなつもりではなかったはずの言葉に、相手から思いがけない言葉が返ってきたことで、大きなケンカに発展してしまうことがあります。そして、その返事に煽られたように、より感情的な言葉を返したことで、ますますお互いに引くに引けない状況になってしまう。こうしたことで、大きな夫婦ゲンカになってしまったご夫婦の相談を受けることがあります。

こうした夫婦ゲンカを防ぐために必要なことは、自分の怒りの気持ちをそのまま言葉にして、パートナーに投げつけないようにすることです。その言葉を口にする前に、自分自身の心にどのような感情があるのかを、一旦考えてみることをお勧めします。怒りの奥にある気持ちを伝えるようにすれば、ケンカにならなかったのではないかと気づけるはずなのです。

本当に相手に伝えたかったのは、相手にわかってほしかったのはどのような気持ちなのか、を感情のままに言葉をぶつける前に、一呼吸おいて話すようにすれば、穏やかな話し合いになるのではないでしょうか。

心理学では「第一次感情」と「第二次感情」があるととらえられています。「第一次感情」とは、初めに沸き起る感情のことで、悲しみや不安、落胆といった心の本音というものです。それを受けて、すぐに怒り、イライラといった「第二次感情」が立ち上がります。表にあらわれるのは「第二次感情」のほうですが、その奥には「第一次感情」が隠れているのです。

怒りやイライラは、奥に悲しみや不安といった感情があるからこそ、表にあらわれるのです。そのうえ「第二次感情」には瞬発力があるため、本音であるはずの「第一次感情」に気づく間もなく、表にあらわれてしまいます。ですから、相手に伝わるのは、本音ではなく、怒りばかりになってしまいます。

こうした怒りの感情はわずか6秒でピークに達し、そこから沈静化に向かうといわれていますので、怒りをぶつけたくなったら、1・2・3・4・5・6と心の中でカウントしてから、言葉にするとよいでしょう。一呼吸おいてから話すといった癖をつけてしまうのも一案です。

心の奥に隠れてしまっているあなたの思い、「心配している」「寂しい」そして「あなたのことを思っている」という気持ちを大切にして、ていねいに伝えるようにしましょう。そうすれば、口を開けばケンカばかりだったご夫婦が、スムーズな会話ができるようになり、心の距離を縮めることもできるはずです。

この記事は私が監修しています | 夫婦問題研究家 岡野あつこ
タイトルとURLをコピーしました