私のサロンに相談に見える方たちの多くが「幸せになりたい」とおっしゃいます。そうした相談者が考えている「幸せ」とはいったいどういったことなのでしょうか。相談に見えるということは、「夫婦関係に悩みがある」方がほとんどです。そうした方たちの求めている幸せの一つが、夫婦円満であることは間違いないでしょう。
たとえばパートナーが元気がなく、ふさぎ込んでいたりすれば「どうしたんだろう、何かあったのかしら?」と心配になりますよね。そんなときに、「どうしたの? 会社でなにかあったの?」と尋ねても、「仕事のことを話しても、わからないだろう」と素っ気なく返されてしまったら、それ以上聞くことができなくなってしまいますよね。
こうした思いをした熟年世代の妻たちは、少なくないはずです。
こうした対応をする熟年世代の夫たちは「仕事を家庭に持ち込まない」という教えを若い頃から守り続けているのです。たしかに、モーレツ社員という言葉が溢れていた昭和には、こうした夫たちがほとんどでした。夫は外で仕事を頑張り、家庭は妻が守るというのが一般的な夫婦のあり方だったといってもよいかもしれません。
ただ、時代は令和となり、夫婦の形もずいぶん変わったのではないでしょうか。これからの時代は、仕事と家庭を一体化してとらえ、仕事がうまく行けば家庭も円満になり、家庭が円満であれば仕事もうまくいくという、お互いの相乗効果で人生が素晴らしいものになる、という考え方がスタンダードになるといわれています。
私のところに相談に見える方は、経済的には恵まれている方が少なくありません。このことは、経済的に恵まれているご夫婦が、必ずしも幸せではないということを物語っているのかもしれません。
仕事をすることの目的の大きなものに幸せに暮らすことがあります。仕事は幸せになる手段に過ぎないといってもいいかもしれません。それなのに、仕事に翻弄されてしまい、家庭をおろそかにしてしまっては本末転倒になってしまうのではないでしょうか。
仕事でつらいことがあれば、妻に打ち明けて応援してもらい、精神的な支えとなってもらう。そして、うれしいことがあれば、妻と分かち合う。そうしていけば、夫婦の絆は強くなっていくはずです。
「仕事の成功+夫婦円満=幸せ」という方程式をしっかり心に刻んでください。そのうえで妻と向かい合えば、必ず夫婦関係の修復につながっていきます。