夫婦というのは、生い立ちや育った環境がまったく違う2人が出会って、そんな他人同士が縁あって一緒になったものです。そんな2人の「価値観」が違うのは、当たり前のことなのです。
ただ、当たり前に違う2人の「価値観の違い」で、すれ違いが起こったり、夫婦関係がこじれてしまったりということはよくあることです。
こうした「価値観の違い」は、夫婦関係だけではなく、親子関係や友人関係、多くの人間関係でも共通して起こることなので、そうしたケースの対処法も同じだと考えています。
まずは、自分と違った考えの人はいるのだ、ということです。自分とまったく違う「価値観」の人はいるということを認めることから始めましょう。
そして相手の考えの根拠にちゃんと耳を傾けるのです。そう考える理由がわかれば納得できるかもしれません。納得までいかなくても、受け入れることはできるということもあります。
ですから、相手の考え方を否定せず「そういう考え方もあるんだ」と認めるところから始めると、意見の衝突は避けられるはずです。相手の考えを否定するのではなく、受け入れる姿勢が大切です。
ある事象を別の視点や角度から見ることを、心理学では「リフレーミング」といいます(「フレーミング」とは枠組みを意味します)。人は自身の「価値観」という枠組みで、知らず知らず物事を見てしまうものです。この枠組みを「Re」(新たに)することで、思考を変えることができるのです。
相手の価値観をネガティブなイメージから、ポジティブなイメージに変えることができれば、受け入れることは難しくなくなりそうです。たとえば「神経質な人」は「慎重な人」、「だらしない」は「おおらか」とすれば、印象はずいぶん変わりますよね。
「価値観」に正解はありません。まずは自分から「リフレーミング」して、相手の「価値観」を受け入れてみましょう。そのうえで、まったく違う「価値観」を面白がることができれば、「価値観の違い」は相手を尊重するきっかけにもなるはずです。

